面白そう、という安直な理由で回し始めましたが、実はかなり良いデッキでした。

元レシピ

2 《進化する未開地/Evolving Wilds》
4 《森/Forest》
1 《島/Island》
4 《霧深い雨林/Misty Rainforest》
10 《山/Mountain》
2 《広漠なる変幻地/Terramorphic Expanse》
4 《溶鉄の尖峰、ヴァラクート/Valakut, the Molten Pinnacle》

クリーチャー 18
1 《ゼンディカーの報復者/Avenger of Zendikar》
4 《詐欺師の総督/Deceiver Exarch》
1 《業火のタイタン/Inferno Titan》
4 《水蓮のコブラ/Lotus Cobra》
4 《草茂る胸壁/Overgrown Battlement》
4 《原始のタイタン/Primeval Titan》

その他の呪文 15
4 《探検/Explore》
3 《緑の太陽の頂点/Green Sun’s Zenith》
4 《砕土/Harrow》
4 《欠片の双子/Splinter Twin》

メインボードのバランスは適切以外の言葉が浮かばず。
何枚か入れ替えながら回して見ましたが、結局替えたパーツは全て解雇。
双子コンボも4+4の当たり前の枚数に。

緑タイタン、双子コンボ、ヴァラクート以外の要素を軽く(推測しながら)解説。

・デッキの利点

コンボデッキ同士をハイブリッドさせるというテクニックは以前から存在していますが、多色化、スロット圧迫、コンボパーツの不揃い等、構造的に問題を抱える事も多く、なかなか成功する例が少ないのが現実です。
しかしヴァラクート+双子は他のコンボハイブリッドデッキと違い、ハイブリッドする上で明確な強みがあります。

・ヴァラクートは土地を使用したコンボデッキである
・双子がどちらのコンボともシナジーする
・全く性質の違うコンボである

どちらも2枚コンボ同士(緑タイタンと土地、詐欺師と双子)であるという無難なスロット割り当て、またヴァラクートの骨格を支えるマナ加速呪文達が多色化(具体的には青赤赤)を安定的にサポートし、ヴァラクートのタイタン達は双子と強力にシナジーするためコンボパーツの偏りを緩和、そして、時間を掛ければ負けてしまうコンボ(ヴァラクート)と、リアクションを取らないと負けてしまうコンボ(双子)という相反するデッキ同士という、相手からすれば、いつ飛んでくるかも分からない即死コンボ用に除去マナを立てながら、なおかつヴァラクート達成より早く勝ちに行かなければならないという、非常に戦いづらいデッキ構成だと言えるでしょう。

・草茂る胸壁、水蓮のコブラ、緑頂点

関東ではAKKAのTSPD型(土地を伸ばす呪文フル搭載)が大多数といった印象ですが、海外やMOでは緑頂点型も多く見受けられます。
このデッキに関しては、青マナを(相手のターンに)供給するコブラは純正ヴァラクート以上に価値があります。
また草茂る胸壁も、単なるマナ加速以上の効果をもたらすでしょう。
純正では確実にマナを伸ばすというコンセプトがあり、除去されるリスクのために壁はマナ加速としてカウントしづらいというデメリットがありますが、双子コンボを搭載したこのデッキでは、除去(憎き四肢切断!)を釣る避雷針となりうる点において評価が高まります。
手札で双子コンボが完成しているなら、時間を稼ぐために安心して『壁』としてブロッカーに使えたり。
緑頂点はこの構成だと擬似的な3マナのマナ加速になり、7マナの緑タイタンとなるのは最早説明不要ですね。


・探検と砕土の採用、カルニ心臓と耕作の不採用

さて、マナ加速枠を生物に取られてしまった結果、ヴァラクートの代名詞とも言える『土地を伸ばす』呪文を幾つか解雇しなければいけません。
カルニ心臓と耕作は土地を二枚供給しますが、双子コンボを内蔵するこのデッキの場合、それ以外の要素を重視しているようです。
探検はアンタップインの土地と組み合わせる事により、実質1マナのカードとして機能します。
これがどういう事かと言うと、2ターン目にマナ加速をしている際に、3ターン目に『3マナを構えながら』マナ加速を実現するということです。
最速コンボの可能性を残しつつマナ加速するという、このデッキならではのカードチョイスですね。
砕土も同様のメリットからの採用で、こちらは確実に島をサーチ出来るのが特徴です。
探検は青マナの供給に難がありますが、キャントリップでのコンボパーツサーチという(贔屓目に見てですが)長所もあります。

ここからは完全な想像ですが、このデッキのデザイナーはヴァラクートに双子コンボをタッチする、という意識では無く、2つのデッキを融合させる、という意識でカードを選んでいる気がしました。
そのため、土地を伸ばす事に特化したものよりも、デッキの動きを阻害しないものを選択しています。
(感覚的な話ですいません)
それを裏付ける理由として純正ヴァラクートには無いデメリットの存在がありますが、それについては後述します。

・追加のフィニッシャー枠
赤タイタンは追加のタイタンとしての採用。
ゼンディカーの報復者は反逆の印や攻撃的な行動をケアでき、緑頂点でサーチ出来るサイド後により輝く枠です。
また、どちらも双子のエンチャント先としても優れています。
(緑タイタンもそうですね)
双子が詐欺師専用カードに留まらないのは、このデッキの明確な利点と言っても良いでしょう。

・デッキの欠点

2つのデッキを融合させたということは、純正のそれぞれの強みが少なからず失われている事を意味します。
安定したコンボ、噴火の達成という部分で純正に劣っており、ドロー手段が乏しいため双子コンボの片方(特に詐欺師)だけ固め引いたり、土地を伸ばしづらい構成のため緑タイタンが場に出てから噴火まで複数回のタイタン誘発が必要だったりと、相手によっては致命的となりうる展開になってしまう事もありそうです。
またどちらのモードでも攻撃的な行動が対策として機能するため、サイド後は各々の純正版以上に展開に気を遣う必要があるでしょう。
緑マナが少なかったりコンボパーツが重なったりと、マリガン基準が純正ヴァラクートよりも厳しくなっているのも気になりますが、まあそこは混ぜ物のご愛嬌。

・サイドボード

現在の僕のサイドボードを。
サイドボード 15
4《強情なベイロス/Obstinate Baloth(M11)》
4《紅蓮地獄/Pyroclasm(M11)》
4《焼却/Combust(M11)》
2《酸のスライム/Acidic Slime(M11)》
1《攻撃的な行動/Act of Aggression(NPH)》(《酸のスライム/Acidic Slime(M11)》)

ヴァラクート対策は少な目。
元々メインコブラや双子コンボと、ヴァラには有利なので。
《詐欺師の総督/Deceiver Exarch(NPH)》で土地をタップしたりして、後手でもワンチャン出るのが良いですね。
その代わり、不利が付きそうな双子相手のサイドに《焼却/Combust(M11)》を4枚、赤単相手にベイロス増量、青白の力線用に酸スラ続投、としました。
一応《攻撃的な行動/Act of Aggression(NPH)》対策の《攻撃的な行動/Act of Aggression(NPH)》を1枚だけ取ってますが、酸スラ3枚目でも全然OK。

サイドは一人回しでもようわからんのでこんな感じです。


・さて、次は・・・?

実際に対人で回した印象などをリポートできれば。
明日は町田一刻館に行く予定なので、そこで開催されている一刻杯にこのデッキで出てみようと思います。

それではまた。

コメント

夢みるうんぽぴん
2011年7月2日21:21

今日教えてもらったけど、

マナ壁に貼るとエンド前とで壁が3体並んで6マナでる不思議w
壁2体なら12マナwwww

壁双子も割とおすすめですw

海老
2011年7月2日21:22

マナの使い道がこのデッキでは無いので、完全スルーしました。
エルドラ混ぜるならワンチャン!

バントの人
2011年7月2日21:28

水族館イイね!
元ダイバーのオイラがドヤ顔でお魚ウンチクを語って差し上げますw

さんた
2011年7月3日0:05

参考になりました。怪しいリストですが、ここまで考察がしっかりされてるとなるほどなぁーと感心してしまいます。

リンクさせていただきました。よろしくお願いします。

Nage
2011年7月3日0:56

脳内ですが《耕作/Cultivate》がない+2マナ加速12枚ならあと1枚緑マナランドを《業火のタイタン/Inferno Titan》あたりを削ってでも入れたくないですか?

2マナあるのに緑ないからマリガンを減らし、《耕作/Cultivate》ないから普通にランド止まるときついので28枚欲しい…気がするww

海老
2011年7月3日1:28

「業火タイタンが森だったら」想定は試してなかったなー。
明日はそれでやってみようかな。

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